新しい学びのカタチ
生徒が自分から取り組み、
「したい」を〈できる〉にする力をみんなで身に付けていく
そんな塾です
倫理

ヒュームの懐疑論

以前私は、ヒュームの『人性論』の読書会に参加しました。ヒュームは、経験論をつきつめ、原因と結果の関係も、わたしたちがAのあとにBがおきるという経験を繰り返して、それを習慣にしてきたことでおもっていることにすぎないとしました。つまり、自然界や外側の世界に因果関係が存在するわけではないというのです。私は、ものごとにはかならず原因と結果があるというように考えてきました。ですが、あらゆることに因果関係があるから、究極の原因をつきとめなくてはいけない、と考えないほうが楽になることもあることを知りました。すくなくともこの原因はこれだと独断できめつけることには慎重であらねばならないと思いました。
ヒュームは、当時の理性の力ですべてを明らかにすることができるという風潮が、理性の暴走を招くことに対して、ちょっとまって、それは疑ったほうがいいよ、といって問題提起をしたのではないかと考えます。

2024/8/5