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倫理

古代ギリシャの哲学

一番私が好きな教科は倫理です。今後、きままにこの科目の哲学・思想について書くと思います。古代ギリシャのソクラテスは、当時の何が正しいかは人それぞれだよ、という考え方を超えようとしました。そして人間はどう生きるべきかを考えぬこうとしたのです。彼は知を愛し、真の知を求め、自分の魂をできるだけ優れたものにする、これが哲学だと考えたといわれます。彼を師と仰ぎ、その悲劇的な死に悲憤慷慨し、本格的な哲学を対話形式の美文で書き上げたのがプラトンです。たとえば現に存在する三角形がおしなべてどこか歪んでいるのに対して完璧な三角形そのものがどこかにある。このように、現実には存在しない○○そのものの世界があるとしてこれをイデアと呼びました。私たちが現実世界において目にしているものは、新実在であるイデアの影に過ぎないというのです。そして、私たちはかつて自分もそこからやってきたイデアの世界に対してあこがれを持つ。これがプラトンの言うエロースです。そしてイデアの世界を私たちはもとめ、しばしばこれを想起する。なんとも素敵なお話。しかしそのまた弟子のアリストテレスはこれを超えようとします。彼は古代の英雄アレクサンドロス大王の家庭教師だったというのもすごい話。彼はもっと現実主義的に考えて、イデアの世界がどこかにあるのではなく事物のうちにその本質があると考えたのです。それが人間の活動や自然の運動をつうじて現実化する。こうした動的な世界のとらえ方をしたわけです。

2024/8/28