敗戦後、アメリカ占領軍主導の日本の軍国主義解体・民主化がすすめられました。それでも、二度と戦争はごめんだ、新しい民主的なくにをつくるんだ、と多くの日本の人々が決意して、再び廃墟の中から立ち上がったのです。日本国新憲法に戦争放棄・戦力不保持が明記されたことは、人類史においても特筆すべきことだといってもいいすぎではないとおもいます。そして教育も、平和で民主的な国の担い手を作るということを目標として据えられ、教え子たちを戦場におくるようなことはすまいと先生たちは決意したのです。
他方で、日本の経済復興は、南北に分断された朝鮮半島における朝鮮戦争によってもたらされたことはいっておかなくてはなりません。さらには独立国家としての歩みは米ソ冷戦の対立構造の片側のみとの講和によってはじまったこと。このことが戦後の日本の歴史を規定します。
高度経済成長の光にはかならず影がさしこみます。日本の政治指導者や経済エリートにはいまだにこのころの成功体験をわすれられない人たちがいるようですが、この戦後の歩みのなかで失われたものもあったのではないかということを私は思わずにはいられません。
東西冷戦は東欧諸国および親玉ソ連の崩壊によって幕を閉じ、世界に平和と協調の時代が訪れるかに思われました。私も子供心に歴史がとても良い方向に動いていくことを感じ取り感動していた記憶があります。しかしながら、残念なことにその期待は歴史によって裏切られたと言わざるを得ません。それはなぜでしょうか。
世界も日本もいまだなおさまざまな問題をはらみつつ、滔々たる歴史の奔流はわたしたちがいきている時代へと流れ込んでいます。私たちは歴史に学び・教訓をくみ取り、これからの歴史を創造してゆかなくてはなりません。
以上、私自身の歴史観に基づいて日本を中心に歴史を素描しました。皆さんには、歴史を学び・歴史に学び、それぞれの歴史観を形成してほしいです。もって、それぞれの歴史認識をめぐって議論ができたらいいなあとおもっています。