日本の軍国主義者たちは、ナチスドイツの快進撃に幻惑されて、この悪魔と手を握ります。世界はナチスの侵略から再び世界大戦に突入してしまいます。日本は中国相手に苦戦続きで、これを打開するために東南アジアの資源に手を伸ばそうとします。これが米英の利害と衝突し、対立を決定的なものとします。日米交渉はうまくゆかず、日本はとうとうハワイの真珠湾を奇襲攻撃します。アメリカの圧倒的な国力を前に、敗退をかさねながらも多くの日本兵を戦地におくりこみます。彼らは戦闘だけでなく病気や飢えで次々としんでゆきます。国民各層おしなべてこの絶望的な戦争に動員され、反対するもの・したがわないものはしょっ引かれ、物言えぬ空気が支配します。いったい誰のため・なんのための戦争だったのでしょう。
アメリカは徹底的に日本を空爆（日本側からみたら空襲といわれる）します。さらに沖縄では地上戦が行われ、とうとう人類史上初めて原子爆弾が（ソ連をけん制するためにも）広島・長崎に投下されます。日本の指導者は国体を護持するといいながら自分たちの地位をまもるためにも降伏しようとしませんでした。そのせいでどれだけの犠牲がかさねられたことでしょうか。ムッソリーニがイタリア民衆につるしあげられ、ヒトラーが拳銃で自殺したあとも、この日本国家は世界の多くの国々をひとり敵に回して戦争を継続してしまったあげく、降伏し、第二次世界大戦は終結します。