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北斎と広重

 今日、岡山県立美術館で開催されている「北斎と広重 富嶽三十六景への挑戦」を観てきた。葛飾北斎「富嶽三十六景」46図すべてや、歌川広重の「東海道五拾三次之内」など充実した展示内容に、大満足だった。
 広重の絵も、江戸時代の人々の生活・文化・風俗のようすを見事に描き出していてとてもよいが、私はやはり北斎のほうが好きだ。天才的としか言いようのない大胆な構図の取り方、繊細な筆致、そして実物をみてその鮮やかさにおどろかされるあの藍色の使い方。単に富士山などの風景のみを描くのではなく、そこに江戸の人々が働いたり遊んだり旅したりしているさまを生き生きと織り込んでいっているのもすごいと思う。
 北斎が「画狂老人卍」などの多くの画号をなのったのも、生涯に93回も引越ししたのも、変人だったからだけではなく、たえざる自らの進化を求め、新たなる絵画の境地を切り開き続けようと格闘しぬいたからであるように思われる。そして小さいころから好きだったことについて努力し続けることの偉大さを思う。

2024/6/12