テレビで宮本常一『忘れられた日本人』がとりあげられているそうですね。私はテレビをみませんが。この民俗学の本は私も昔読んで、とても面白いと思った記憶があります。
民俗学は、ある民族の伝統的な生活文化や伝統文化を研究する学問です。宮本も、戦前から戦後にかけて日本中歩き回って、名もなき人々からたくさんの話を聞いてまわりました。そして、小さな集落などにすむ人々の人生や生活を記録していったのです。残念ながら多くの資料は戦争で焼けて失われてしまったのですが。
人間の歴史は、教科書に出てくる英雄や天才によってのみつくられたのではありません。名もなき人々が、それぞれの生を営み、あるいは周りの生活をすこしでも良くしようと頑張ってきたことで作り出されたともいえると思うのです。そして、私たちもまた、これから歴史を作っていく存在なのです。