文明の始まりから数学は、農業、交易、暦などの日常生活や社会運営に役立ちます。たとえば土地の面積を測ったり、水を争いのないように分配したり、収穫量を事前に予測したり、都市を設計したり、売買の際のお金のやりとりや、税や、負債の利子を計算したり、天体の運行を理解しカレンダーをつくったりして、そこから数学はうまれ活用されていったのです。
そして近代以降は、自然界の法則を理解し技術を発展させるための言語として数学は機能してきました。特に物理学では、ニュートンの運動方程式なども数学なくしてはできなかったのですね。現代ではもちろん、電子回路や飛行機やロボットをつくるには、高度な数学が用いられています。さらにコンピュータ・インターネット・AI・暗号技術などはすべて数学の応用で成り立っています。数学が具体的な生活に欠かせないほど役に立っていることを知ると、すこしは数学をやってみる気になりませんか。
さらには、数学は、人間の論理的・抽象的な思考力を鍛えてきたとも言えます。教育において数学がさけてとおれないのは、それなりに理由があるんですね。証明などは、推量したり厳密に考える力がつきます。問題を解決する力、わからないことを体系的に考えてわかるようにするための力がつくはずなんです。
さらに数学は自然科学や技術・工学だけでなく、社会制度の設計にも役立てられています。統計やデータ分析などは、人口調査や疫病対策など、確立とリスク管理は、保険制度や災害予測などに、最適化と効率化の理論というものは、交通システムやエネルギー配分に活用されています。
未来社会を創造するためにも、数学は不可欠になります。AI・量子コンピュータ・気候モデルなどは、数学なくしてはあり得ないそうです。数学なんて何の意味があるかわからない、自分の将来になんのやくにたつんだ、と私も思っていましたが、もっとこうしたことをしっておけばよかったなとおもいます。