新しい学びのカタチ
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真備の豪雨災害におもう

 今日、サイクリングして真備さくら公園の桜並木をゆったりと満喫してきた。同時に、このうららかでのどかな小田川が、あのとき、恐ろしい相貌で人と町をのみこんだのだ、と自然の見せる二面的な貌をおもった。

 2018年7月、その日私はある別の塾でおしえていたのだが、強い雨が降りやまず、不安を覚えていた。その豪雨は市内の真備町を襲っていたのだ。小田川の堤防が決壊し、町の3割が浸水した。浸水の深さが5メートルに達した。自分の家が5メートルの浸水にさらされたときどうなるか・どうするかを想像してほしい。73名もの方が亡くなられた。4646もの家屋が全壊した。晴れの国岡山の中でも特におだやかな気候にめぐまれている、とおもっていた倉敷市内でこのような被害と悲劇が発生したことに、当時私は慄然とした。
 
 残念ながら非難行動は遅れ、特に高齢者が避難できなかったようだ。私たちはこの被災から教訓をくみ取らなければならない。それは今も受け継がれているだろうか。避難指示は出されたもののやはり遅かった。住民の側もそれをうけても軽視したり、行動に移すことをためらったりしたようだ。防災計画もいざという時に十分機能するものではなかった。さらには、既存の堤防では昨今の豪雨に耐ええないことが指摘されていたにもかかわらず、予算上や技術上の課題から整備が先延ばしにされていたのだ。未曽有の自然災害に人的要因もかさなりあって、取り返しのつかない被害が発生しもどってこない尊い人命がうしなわれてしまった。

 多くの人が、最近の雨の異常な強さに不安を覚えているのではないだろうか。私も激しい雨が続くとほんとうに怖くなる。豪雨や異常気象の原因として地球温暖化が関係していることも多くの人が気づいている。理科の知識があれば、温暖化で大気中の水蒸気が増加していることもわかるはずだ。そして、いつまた自分たちもふくめて水害にあうかわからないことも頭ではわかっているはずだ。惰性に身を任せてはいけないと思う。慣れてはいけない。地球温暖化の原因はわからない、とごまかすことなく、科学的に現状とその要因をできるだけ明らかにしようと努め、様々な立場の人があつまってより有効な対策を練り上げ、みんなが行動様式を変容させていく必要があるとおもう。

2025/4/6