新しい学びのカタチ
生徒が自分から取り組み、
「したい」を〈できる〉にする力をみんなで身に付けていく
そんな塾です
生物基礎

生物って何なの

1 生物の特徴
 この塾でも生き物を飼ったり育てたりしている。みていると面白いし野菜が育つとうれしいし、その生きよう、大きくなろう、という力に、励まされさえする。生き物に対しての慈しみをもって、生き物って何なのか、どんなしくみで生きているのかを勉強していきたい。
とりあえず生物の体の特徴が長い年月をかけて代を重ねるあいだに変化することを進化といっておく。進化というと劣ったものが優れたものになるというイメージがある人もいるかもしれないけれど、進化とはなにかというのはとても深いテーマなので、もっと深めてほしい。とにかく現在地球上で生活する生物のおどろくべき多様性は、進化の結果として生じたものだ。その一方で、生物の基本的な特徴には共通性がある。これがあるから生物と呼べるものがある。それは、地球上のすべての生物は、共通の祖先をもつからだ。われら生物みな兄弟。
①細胞からできている②DNAをもつ③エネルギーを利用する④自分と同じ構造をもつ個体をつくる⑤体内の状態を一定に保つ これが生物の共通する特徴、生物と呼ぶ際の定義だ。
植物は光合成でデンプンなどの有機物を合成し、呼吸によってそれを分解しエネルギーを取り出す。動物は、植物が合成した有機物を摂取し、呼吸によって分解しエネルギーを取り出す。また、生物は生体内でのエネルギーの受け渡しにATPという物質を利用する。
生体内で二酸化炭素や水などの単純な物質からデンプンのような複雑な物質を合成することを同化という。他方で複雑な物質を単純な物質に分解することを異化という。同化と異化によって、生体内で物質が合成または分解されることを代謝という。代謝にはエネルギーの出入りをともない、その受け渡しにATPが利用される。代謝を速やかに進行させる触媒となるものが、酵素である。
遺伝子 親の形・性質などの特徴が、子や孫に現れることが遺伝だ。遺伝情報を担うのを遺伝子と呼び、その本体がDNAだということがわかった。多様な生物はそれぞれ、他の生物とはちがう遺伝情報をもっている。また、同じ生物の固体の間でも遺伝情報はちょっと違う。生物は、それぞれがちがったDNAをもつことで、生物ごとに決まった遺伝情報を持つ。
タンパク質は、アミノ酸が多数つながってできている。タンパク質は、私たちの体をつくる材料になったり、酵素としてはたらいたりする。そのタンパク質も、DNAにもとづいてつくられると考えられる。DNAの塩基配列がタンパク質のアミノ酸配列に変換される。DNA→RNA→タンパク質、と一方向に遺伝情報が伝えられることをセントラルドグマという。
私たちの体を構成する細胞は、一個の受精卵が特定の形態や機能を持つように分化したものである。すべての細胞は、同じ遺伝情報を持っているが、それぞれの細胞でその細胞に必要な遺伝子だけが発現する。

2024/8/18