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そんな塾です
物理基礎

物体の運動がわかると…

物理って、むずかしそうだけど、なんか魅力的、そんな思いをいだいてきた。これから私も物理をすこしづつ勉強したいと思っている。
物体はいろいろな運動をするが、あらゆる運動の基本法則をニュートンは明らかにして見せた。物体にどのような力がはたらき、運動するのかを知ることで、日常生活でも見られるいろいろな運動を予測したりコントロールすることができるらしい。
速さと速度は分けて考えよう。速さに、運動の向きを合わせたものが速度である。向きを定めると、その逆向きへの運動はマイナスになる。また速度はベクトルで表すことができる。
一定の速度で直線上を進む運動を、等速直線運動という。動く歩道の上をある人が歩いたとすると、それをほかの人が止まった状態で横から見ているとすごく早く移動しているように見える。その速度は、動く歩道の速度と、歩く速度を合わせたものになる。
また、時速50kmで走る車の中から、同じ方向に時速100kmで進む電車をみると、ゆっくりにみえる。これも100-50で時速50kmで走っているように見えると計算することができる。どこからみるかによって変わって見えるという考え方が大事だ。
また、たとえば2秒間で速度が時速50kmから100kmに変化する車があったとすれば、1秒当たりどれだけ加速したかを考えることができる。これは加速度だ。m/sを秒で割ったりするので単位はメートル毎秒毎秒になる。また、減速すると加速度はマイナスになる。斜面をボールが転がるとき、どんどん加速するが、このときの加速度は一定なので、等加速度直線運動という。
ティッシュペーパーとビー玉を同時に落とすとビー玉のほうが先に地面につくだろう。しかしこれは重いものは先に落ちるということではなくて、空気抵抗の大きくなるような形をしているからティッシュはあとで地面にはらりと落ちるということだ。空気がない状態ならば、質量に関係なく物体は自由落下する。
自由落下する物体は、鉛直下向きに等加速度直線運動をする。このときの加速度を重力加速度(g)とよぶ。これに時間をかけることで、3秒後にはどのくらいの速度で落下していくかとかがわかる。
下に投げおろすとすれば、初速度をたんに足せばいい。上に投げ上げるとすれば、初速度-gtと、意外と単純な計算である時間後のいったんうえにあがっておちてくる物体の速度がわかる。最初上にいきおいよくあがっていきだんだん速度がおちてきてやがて落ちてくる。また、横向きに投げたものが下に落ちる水平投射とか、斜めに投げ上げる斜方投射を考えるときはよことたての運動をあわせてかんがえればいい。

物体を変形させたり物体の速度を変えたりするはたらきのことを力という。AがBに力を加えるとBがぐしゃっとなったり、止まっているのを動かすとか動いているのを減速・加速させるとかうごいているのをとめたりとか、するわけだ。力には、作用点・向き・大きさの3つの要素がある。
地球上のあらゆるものに鉛直下向きに働く力が重力だ。重さというのは重力の大きさのことなのだ。質量は地球上でも月に行ってもかわらないものだが、重さは違う。もちろん重さは質量に比例する。
机の上に本があるとすれば、机の面から本に、鉛直上向きに垂直抗力がはたらいているから本は止まっているとみえる。すべるのを防ぐ力は摩擦力だ。伸びたバネがもとにもどろうとするのが弾性、はたらくのが弾性力だ。力というのは複数のものを合成したり、分解したりできる。つなひきでとまっているときは2力がつりあっている。このとき、ふたつの力は、同一作用線上にあり、大きさが等しく、向きは反対だ。
AさんがBさんを押すと、Bさんがうごいてもとまったままでも、Aさんを押し返す力をおよぼす。これは作用反作用というやつで、力の大きさは等しくなる。カーリングのストーンがよくすべるように、物体はその速度を保とうとする。これが慣性だ。摩擦や空気抵抗がなければ動いている物体はずっと等速直線運動をするはずだ。もちろん止まっているものは止まり続ける。同じ向きに一定の力を続けるとすれば、その物体は等加速度直線運動をする。はたらく力のおおきさを変えると、それに比例した加速度になる。強い力でおしつづけるとそれはぐんぐん加速していく、というイメージだ。また、その物体が重いと、そのぶんだけ加速しない。重いものをぐいぐい押しつづけてもあんまり加速していかない。
ところで、大事なことだが、重さとは、その物体にはたらく重力の大きさなのである。また、その物体に力がはたらいた場合の加速度の生じにくさ、と考えることもでき、その場合は慣性の大きさを表す量だととらえることもできる。このような、常識的・日常的な感覚をこえるような、ふつうそうおもってないよね、というようなことをはっきりと定義されると、なんだかおもしろいな、という気になれるのが物理だと僕は思う。つづく

2024/8/18